本選びと読み方のルール

英語多読の3つのルール

多読の効果を出す上で守るべきルールが3つあります。

  1. 自分のレベルに合った本を
  2. 日本語訳をせずに
  3. 時間内で読む

この3つのルールを守って本を選び、読んでください。

SSS式多読法「多読3原則」

ところで、SSS式多読法には「多読3原則」というものがあります。

  • ・辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
  • ・分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
  • ・つまらなくなったら止める (上2つの原則で楽しく読めない本は読まない、次の本にいけばよい)

参照:SSS英語学習法のご案内

いつから英語多読を始めるかということにはいろんな意見があります。

SSS式多読法の考え方では「英語学習開始時からOK」ですが、私はそうは思っていません。

「多読3原則」が矛盾するからです。

第1原則から考えれば、英語学習開始時に読む本というのは3歳児が読む絵本のレベルでしょう。

それを中学生や社会人が読みたいですか?第3原則の「つまらなくなったら」には当然「易し過ぎてつまらない」という感情も含むべきです。

多読は続けることが最も大事なのですから。

私が紹介している本は、使用されている英語のレベルが低くても、結末がわからなくて次のページを開こうと思えるようなストーリーです。

これらを読めるようになるために必要な英語は中学校の教科書レベルです。

そのレベルの単語や文法を、授業で習って頭で理解しているだけではなく、訳さずにさくさく読めるようにするためのトレーニングだと思ってください。

特にお子様に読ませる場合は、英語多読が嫌いにならないように開始時期の配慮を心がけてください。

本の英語レベルについては、各出版社でレベルの扱いが異なります。

このサイトでは、すべての本にあらすじを英語で掲載しています。

これは本の裏表紙に書いてあるものではなく、私が英語のレベルに合わせて書き下ろしたものです。

ネタバレ等は一切ないように書いていますので、あらすじを30秒程度で読んで理解できるかどうかでレベルにあった本を選んでください。

易し過ぎる分には問題ありません。

訳読をしないためには、時間を意識すること!

高校時代の私の経験談ですが、夏休みの課題のサイドリーダーを何十人かで「担当分け」をして、夏休み明けまでに数ページずつ和訳していくという作業をやっている生徒がいました。

そもそも小説は話の展開にどきどきわくわくしながら一気に読むものではないでしょうか?小説だけではありません。

新聞のニュースや論文、英語で書かれているものを読むのはなぜか?和訳版が出ないうちに読み切ってしまいたいからではないでしょうか?訳読の癖をなくすこと、これが英語のリーディング力を向上させるための第一歩です。

SSS式多読法の「多読3原則」の1と2を厳守することが、「英語多読」の第一歩です。

もう一つ大事なこと、それは時間を意識することです。

ある研究で、英語のネイティヴスピーカーは易しい本であれ難しい本であれ300語/分のペースで読むということがわかっています。

ノンネイティヴであれば当然ペースがもっと遅くないますが、理想は100語/分です。

逆に、80語/分を下回る場合、我々は母語に頼ってしまいます(つまり訳読)から要注意なのです。

このサイトではすべての本に所要時間の目安を書いていますので、ぜひ辞書ではなく時計を見ながら多読をしてください。

また、英語多読を始めるとすぐに実感するのですが、読み始めから10分以上経つと英語がスッと頭に入ってくるようになります。

これは母語から英語に頭が切り替わった結果です。

慣れると頭が切り替わるまでの時間をもっと短くすることができますが、これもトレーニングしてこそ!忙しい中、合間を縫って読書されたい方が多いと思いますが、多読量が合計10万語程度に達するまでは「読み始めたら最後まで一気に読みきる」「どうしてもまとまった時間が取れない場合でも最低30分は継続して読む」ことを心がけてください。

繰り返し読むのは無駄ではない!寧ろ効果的!

辞書を引かずにわからない部分は飛ばして、スピードを意識して読んでいると、一度読んだだけでは話の展開などがいまいち理解できていないことがあります。

例えば、事件もので犯人判明までの伏線に気づかなかったなど。

レベルが高い本であれ低い本であれ、初見の場合は60%理解できれば合格です。

二度目で75%、三度目で90%と読むたびに理解が深まっていく、それが正常な読書です。

小学校時代の国語の授業をイメージしましょう。

一つの文章を扱うのに数回~十数回の授業数を費やし、毎時間その文章を繰り返し読んだはずです。

小学校教育は多読ではなく精読ですが、多読でも複数回読むことはリーディング力の向上に効果的です。

多読でリーディングの技能以外を上達させるには

言語能力の四技能「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」のうち、英語多読では当然リーディング力の向上が見込めます。

ただし、言語習得時には、四技能を平等に向上させることが最も重要であり、また効率的です。

英語多読の教材を用いて、他の技能を向上させることは、もちろん可能です。

上記のサイドリーダーにはいずれもCD付きのものが多数あります。

このCDはとても役立ちます。

理由の一つは、多読をする際のペースメーカーになるからです。

初めて多読をする際にはぜひ行ってほしいのが、CDを流しながら本を読んでいくこと(シャドーイング)。

読むスピードが自然と速くなっていくはずなので、ずっとではなく例えばChapter 1だけでも構いません。

そして、多読にかなり慣れてきたら(合計10万語程度読んだ頃)、新しい本を開く前にその本のCDを聞いてください。

つまり、新情報を耳から入れます。

このトレーニング行う際には、絶対に本を閉じた状態で行ってください。

目から入れるより格段に難しいと感じるはずです。

それが正しい感覚です。

このトレーニングを複数冊の本で行うことで、リスニング力は鍛えられます。

スピーキングやライティングの能力は独学ではなかなか習得しづらいです。

そもそも言語は伝える相手がいてこそですし、Error Correctionをしてくれる人がいないと難しいでしょう(ライティングに関してはサイドリーダーの内容を発展させたワークシートを独自に開発中です)。

ただし、発音やイントネーションなど、スピーキングに欠かせないスキルに関しては、CDを各文ごとに一時停止させて真似をすることで身につけることができますから、ぜひ実践してみてください。

異性の人の声であっても、声のトーンまでCDを真似るとなお良いです。

例えば、私は英語で話すとき声が高くなります。

日本語と英語はそもそも口の動かし方も音の出し方も異なりますので、おかしいことは全然ないのです。

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